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第24回Jボーイカップ2018夏 決勝戦観戦記

2018/09/10

Jボーイカップ2018夏決勝.jpg

   1st stage(1、2回戦)
  
季節は初秋。だが、まだまだ暑さが残る9月9日、予選通過の28名によって決勝ステージが行われた。1、2回戦の合計得点の上位16名が勝ち上がる準決勝戦システム。さらに上位4名が+5000点のアドバンテージを獲得できる。4位と5位、12位と13位、そして27位と28位が同点というせめぎ合いの結果、ポールポジションを手にしたのは高林智さん。第19回の王者である。自身2度目の戴冠に向けて絶好の船出となった。2位には五凌さん、3位には手塚さん、4位には同点ながら予選順位が上である岩上さんが入線し、ここまでがアドバンテージを獲得することとなった。

そして気になるボーダー争いだが、制限時間いっぱいで倍満をツモった中川さんが16位に滑り込むと同時に、この倍満を親被りしてしまった小粥さんが17位の時点となり涙を呑む結末となった。

 

2nd stage(準決勝戦)


準決勝の卓組は2回戦までの順位の廻り順によって決定される。各卓にひとりだけ+5000点のアドバンテージを持ったプレイヤーがいる。トップのみが勝ち残りという厳しい条件のなか運命の準決勝戦がはじまる。
A卓 王者の意地。プロとの対局を幾度となく制し今大会でも優勝候補に挙げられていた竹内さんが東場で5万点オーバーと大きく突き抜ける。この煽りを喰らう形となった鈴木勝さん、鴨岡さんは共に成す術なし。ひとり気を吐いたのが過去2度の優勝歴を持つ岩上さん。南入からの連続のアガりによって僅差に付けると次局には6000オールで一瞬にして抜き去り、3度目の戴冠に向けて大きく前進した。

B卓 暴君の胎動。予選2回戦で8万点のトップを取り、首位でこの卓に乗り込んできた高林智さんがここでも主導権を握る。東4局親番は越川さん。索子ホンイツ聴牌であったが対する高林智さんは萬子ホンイツでこれを制する。前局に大場さんから8000をアガった中川さんとの一騎打ちの構図となる。このままシーソーゲームとなるのかと思われた矢先、中川さんが牙を剥く。南入直後から連続でのアガりをものにして一気に決勝進出を決めた。

C卓 究極の選択。前回は首位、今回は2位で準決勝に勝ち上がってきた五凌さん、手数で勝負の大石さんに初出場の鈴木卓さんと高林秀さんがどこまで食い下がれるかに注目したC卓は予想通り高打点の応酬となった。まずは東場で五凌さんがダマテンの8000を決める。追いかける立場となった鈴木卓さんが南2局渾身のリーチを制し12000をアガると次局、高林秀さんがその鈴木卓さんから12000をアガり、勝負は三つ巴のままオーラスへ。
トップ目の高林秀さんは2副露して聴牌。そこへ五凌さんが追いつく②単騎か?④単騎か?それとも暗刻のドラ九を切ってのカン③か?⑤がポンされていてカン③も悪くないのだが、②単騎を選択。次巡のツモで待ちが変わり25ソーでリーチ。この判断が功を奏し自身3度目の決勝へ駒を進めた。

D卓 忍耐のその先に。スピードと超攻撃的な戦略を武器に鈴木崇さんが東場から激しく攻め立てるがことごとく空を切る。この恩恵を授かったのがアドバンテージ者の手塚さん。鈴木崇さんが切ったドラをポンして8000をアガり圧倒的優位に立つ。しかし南入直後事件が起こる。ここまで気配を消していた太田さんから18000の声。これに放銃したのは鈴木崇さん。この一アガリで勢力構図は一気に変化し手塚さん太田さんの一騎打ちとなる。
終始苦しい展開だった加藤さんは最後の親が落ちて力尽き、最後まで粘り強く戦った太田さんが初出場初優出の切符を手に入れた。

 

Last stage(決勝戦)

アドバンテージ獲得から決勝卓に勝ち上がったのは岩上さんと五凌さん。そして、太田さんと中川さんが初優出という事となる。多くのギャラリーが見守るなか緊迫した空気での開局、そして東1局から運命は動く。4000オール!。南を暗槓した立直ツモ一盃口。実に効率が良い4000オールである。その1本場、続く東2局と太田さんが8000を放銃し事態は切迫する。そして、ここからがこの男の真骨頂なのであろう。持ち点を5万点台に乗せた中川さんは攻めの手を一切緩めることなくアガり続ける。五凌さんが、岩上さんが、太田さんが、それぞれ果敢に戦うがことごとくなぎ倒すかのようにアガり続ける様はまさに『暴君』そのものである。持ち点は6万点を大きく超え、遂に終焉の時。

対局終了後それぞれのプレイヤーにこの決勝戦での話を聞いた。五凌さん岩上さんはそれぞれ勝つチャンスがあったと語る。意外だったのは中川さんで最後の瞬間まで安心できなかったという事だ。
そして、私が最も印象に残ったのが太田さん。結果は4着惨敗なのだが開口一番、満面の笑みを浮かべて「楽しかった!」と言ってくれた。なんと清々しいまでの負け様であろうか。と同時に、この笑顔は勝者のものであるという事に気付いた。麻雀を打っていれば必ず勝ち負けがある。しかし、それ以上に「楽しむ」という基本的な事を教えて貰ったような気がした。麻雀に携わって数十年、忘れていた初心を思い返し今日も牌を握ろうと思う。


第24回Jボーイカップ優勝 中川 士郎さん おめでとうございます!!!

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第23回Jボーイカップ2017-2018冬 決勝観戦記

2018/02/09

Jボーイカップ2018冬決勝.jpg   1st stage(1、2回戦)
日本列島を過去最強クラスの大寒波が襲う2月4日、予選を勝ち抜いた28名によって決勝ステージが行われた。

1、2回戦の合計得点の上位16名が勝ち上がる準決勝戦システム。さらに上位4名が+5000点のアドバンテージを獲得できる。上下が激しく分かれる縦長の展開により、かつてない低ボーダーとなる。

堂々の1位通過は攻撃力に定評がある五凌さん。攻撃の手を休ませる事無く終始攻め切った。そして1回戦で国士無双をアガった現チャンプの増田さんが2位に付け、2回戦で四暗刻をツモった尾藤さんが3位、安定感のある連勝でポイントを積み重ねた千葉さんが4位となりここまでの4名がアドバンテージを持って準決に臨むこととなる。

 

 2nd stage(準決勝戦)


準決勝の卓組は2回戦までの順位の廻り順によって決定している。各卓にひとりだけ+5000点のアドバンテージを持ったプレイヤーがいる。トップのみが勝ち残りという厳しい条件のなか緊張の準決勝戦がはじまる。
A卓 臥薪嘗胆。この卓でのアドバンテージ者は予選連勝の千葉さん。内山さん袴田さん内村さんの3者も自ずと千葉さんをマークする事となるのだろうが今日はそんな隙すら与えなかった。東2局にメンチンの4000・8000をツモりあがると東3局の親番で3連続アガりによって一気に8万点オーバー......「勝負あり」となってしまったのである。決勝卓に座ることを目標にしていた男にとって念願叶った瞬間であった。
B卓 超攻撃幻想、崩壊。予選を大トップ連勝で首位通過した五凌さんがこの準決でも果敢に攻める。相手は歴戦の強者である古友さん、竹内さんそして優勝歴を持つ山本さん。絶え間なく攻める五凌さんと竹内さんの間隙を縫ってアガり切った2600が分水嶺となり山本さんが加点を続け、後続を一気に突き放した。最後までチャンスを残した古友さんだったがラス親で配牌ツモに恵まれず、そのまま山本さんが1年前のリベンジを果たす権利を得る事となった。
C卓 王者の不覚。過去2回の優勝歴を誇る岩上さん、アドバンテージ者の現王者増田さんの両者を迎え撃つのは、繊細な押し引きに定評がある佐藤さんと今回初出場ながら強靭なメンタルを武器に持つ林さん。東1局、林さんが親満貫の先制リーチを打つがこれは岩上さんへ8000の放銃となってしまう。通常ならば手が縮んでしまう場面なのだがこの男は違った。次局先制リーチと親倍の仕掛けに挟まれるもここでアガり切り、原点復帰すると即座にアガりを重ね、岩上さんとの一騎打ちへ。オーラスで僅差に競り勝ち、初出場初優出の切符を手に入れた。
D卓 捲り屋の咆哮。序盤から激しい和了合戦となったこのD卓。開局から太田さん、尾藤さん、上野さんがそれぞれ満貫をツモあがり、工藤さんも満貫をアガった事で全員が東場で満貫をものにした東4局、局面は止まる。満貫放銃のち、4連続でアガりをものにした太田さんが一気に突き抜ける。これを追う立場となったのがアドバンテージ者の尾藤さんなのだが、大きく離れた点差はなかなか縮まらず時間切れ。遂に浜松店の重鎮が満を持して決勝の舞台に座ることとなった。

 

Last stage(決勝戦)


アドバンテージ獲得から決勝卓に勝ち上がったのは千葉さん1名。今回は山本さんを除く3名が初優出という事となる。運命の開局、そして東1局
から均衡は崩れ出す。親の太田さんの仕掛けに山本さんが5800放銃。続く1本場、林さんの電光石火の暗黒七対子が炸裂。序盤からドラの中を対子で抱えポンする事も考えたくなるのだが七対子に決め打ち、山本さんから6400は7900をアガる。次局その山本さんの親番だが、千葉さんから先制リーチを受け、遂にはこれに5200を放銃し、残酷な結末ではあるがこの時点で山本さんの優勝はなくなってしまった。東3局、3人に絞られた優勝争いを決定付けるかの様な太田、林、千葉3件リーチ。ここは千葉さんが2600ながらアガりをものにし、東4局へ。ファースト聴牌カン3ピン。親番なので一巡でも早く赤5ソーを切ってリーチにいくのもありなのだが、それではこの千葉という男の麻雀ではない。聴牌取らずからのドラ6引き、47ソーでリーチ!これを見事ツモあがり体制を決する。終わってみれば4連勝という圧倒的な強さで優勝を決めた千葉さんだが、その道中あらゆる所に「自分らしさ」を垣間見ることができた。腰を据え、堂々と押し込む正に王者のスタイルなのだ。優勝コメントで「いつもみんな遊んでくれてありがとう」と語った千葉さん。今後も是非「麻雀」を楽しんで頂きたいと心から思う。


第23回Jボーイカップ優勝 千葉 裕義さん おめでとうございます!!!

 

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第22回Jボーイカップ2017夏 決勝戦観戦記

2017/09/11

Jボーイカップ2017夏決勝.jpg

 

1st stage(1,2回戦)

 

まだ夏とも言えるような日差しが容赦なく降り注ぐ9月10日、夏の大会決勝ステージが行われた。1、2回戦の合計得点の上位16名が勝ち上がる準決勝システム。さらに上位4名が+5000点のアドバンテージを獲得できる。かつてない乱戦模様で縦長の展開となった今回、注目を浴びたのは樽井さん。1回戦に3巡目リーチで国士無双をアガり上位に付けると2回戦でも終始安定した麻雀でトータル2位とした。1回戦の上位陣でポイントを伸ばしてきたのが3位の村松さんと4位の鈴木勝さん。この2人はこの日の調子のよさが窺える。そして驚くべきは2回戦で8万点オーバーを叩き出し堂々たる首位通過の佐藤さんと2回戦で四暗刻をツモり5位まで浮上した鴨岡さんだろう。1回戦の不振を一気に振り払い、追い風に乗った状態で準決勝戦へと臨むこととなった。

 

2nd stage(準決勝戦)


準決勝の卓組は2回戦までの順位の廻り順によって決められる。各卓にひとりだけ+5000点のアドバンテージを持ったプレイヤーがいる。トップのみが勝ち残りという厳しい条件のなか緊張の準決勝戦がはじまる。
A卓 エクスペリエンス。熟練者が老獪なプレーができる一つの理由として経験値というものがある。序盤から打撃戦となったこの卓でもそれは顕著に表れた。東一局、上野さんが満貫をアガると東二局は鈴木勝さんがハネ満をアガり、東三局は鴨岡さんが親満、さらには東四局に石川さんの倍満と続く展開となるのだが、この乱打戦を制したのは過去3回のファイナリスト実績を持つ鈴木勝さん。常時良い位置に付けオーラスではお釣りの来るような6000オールをツモアガり逆転で自身四度目の決勝進出を決めた。
B卓 薄氷の勝利。序盤から増田さんが大きくリード。ここまで後塵を拝してきた佐藤さんと森さんだったが南一局同時に「ロン」の発声。これに放銃した村上さんが残り200点となり事態は一気に切迫する。しかしここから互いを探るような睨み合いが続き、遂に局面はオーラスへ。いつの間にか追いつめられる増田さんなのだが、満貫ツモ条件の森さんからのリーチをかい潜り初の決勝卓に名乗りを上げた。
C卓 静かなる攻防。決勝ステージならではの独特な空気感、更には準決勝卓という事も相まって一打一打を重くする。おそらくは誰しもが勝利のチャンスがあったといえるこのC卓にはそんな雰囲気が流れていた。表面化されない攻防が常に行われ太田さん内村さん平井さんの三つ巴となった南三局、内村さんの先制リーチにここまで後れを取っていた樽井さんが追いかける。私自身も麻雀に正解があるのかは解らないが、このリーチドラ1のカン5ピンからはこの男の実に泥臭い人間的な意思の強さの表れを受け取ることができた。そしてこれを決め手とした樽井さんが決勝卓の椅子を手中に収める事となる。
D卓 バンプオブチキン。過去優勝経験者の高林さんと山本さん、そしてアドバンテージ者の村松さんに挑む形となった白井さんなのだが序盤から大きく後退してしまう。南場に入り完全に三つ巴の様相となったその時、事件は起こった。南二局2本場...神降臨。どよめくギャラリー達を背に8000・16000の声。混一色金裏3までおまけが付く四暗刻をツモアガり、更に親番の連荘で終わってみれば6万点オーバーのトップをもぎ取った。

 

Last stage(決勝戦)


アドバンテージ獲得から決勝卓に勝ち上がった鈴木勝さん樽井さんの2名と増田さん白井さんの2名を加え決勝卓が始まった。今回は誰が勝っても初優勝となる。決勝卓という独特のプレッシャーが4人を襲う。序盤は様子見が続き、決め手がでないまま南入したのだが遂にここで均衡を破る。白井さんの親リーチに押し切った樽井さんが3本場で満貫をアガり一歩リードすると次局は増田さんが満貫をツモりすかさず追随する。若手二人がリードした状態での南3局、親で役なし聴牌となった樽井さんがこれをダマテンに構えた。リーチをしていれば或いはどうなったかは誰にも解らないがここでは増田さんが400・700をツモアガる。そしてオーラス、これはここまでの麻雀の集大成なのであろうか...6巡目リーチ一発ツモ。8000オール。トップとの6千点差を悠々と逆転し、増田さんが初の頂点に輝いた。彼の勝因は「自分らしさ」を十分に発揮したことだと私は思う。この男は麻雀は忍耐の勝負だという事を知っている。どんなに苦しくてもじっと耐え、時つ風が吹くのを待っていたのである。道中、彼の後ろで観戦していた者は退屈さえ感じたかもしれない。だが、それが「自分らしさ」を追求したスタイルなのだ。今後もこのスタイルで麻雀界を賑わして頂きたい。


第22回Jボーイカップ優勝 増田 翔太さん おめでとうございます!!!
 

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第21回Jボーイカップ2017冬 決勝戦観戦記

2017/02/07

Jボーイカップ2017冬決勝.jpg

1st stage(1、2回戦)
昨日の小春日和から一転冷たい雨が降る2月5日、激戦を勝ち抜いた28名が浜松店に集結し決勝ステージが始まる。1、2回戦の合計得点の上位16名が勝ち上がる準決勝システム。さらに上位4名が+5000点のアドバンテージを獲得できる。上位4名を目指すのか、それともボーダーを狙うのか。個々の戦い方は千差万別だが1回戦を踏まえて2回戦の方針を決めるのがセオリーであろう。準決勝へ堂々の1位通過は増田さん。若手らしからぬ重厚な打ちまわしを武器に終始安定した戦いでその座を手中に収めた。そして注目すべきは河野さん。トップ目で迎えたオーラスの親番で続行を選択し上位を狙うがこれが裏目に出て同着の5位となる。これをミスと捉える方もいると思うが彼の優勝に賭ける熱き想いを垣間見ることができた。

2nd stage(準決勝戦)
準決勝の卓組は2回戦までの順位の廻り順によって決まる。各卓にひとりだけ+5000点のアドバンテージを持ったプレイヤーがいる。トップのみが勝ち残りという厳しい条件のなか緊張の準決勝戦がはじまる。
A卓 孤軍奮闘。首位で準決勝戦に乗り込み、安定感抜群の増田さんに歴戦の猛者が襲い掛かる。磐田店で2度の優勝を経験している鈴木勝さんである。右手を強く握り自身を奮い立たせていたのは印象的だった。幾度となく苦しい状況を乗り越えてきた麻雀で点棒を積み重ね、内山さん、山本遼さんともに成す術なし。ひとり善戦を続ける増田さんだった...がついに山本遼さんから黒い点棒が払われ鈴木勝さんが2大会連続で決勝進出となる。


B卓 激闘の果て。老獪かつ柔軟な麻雀でこの準決勝戦に勝ち上がった内村さんが序盤から順調にアガリを重ね局を進めていく。しかしここに待ったをかけたのが山本秀さん。大会に賭ける想いは人一倍で久しぶりの準決とあってか一打一打噛みしめるように打っていた。一撃必殺を狙っていた石川さんと渥美さんだったが無情にも石川さんの放った牌が山本秀さんと渥美さんのアタリ牌となり逆転で激闘に終止符を打った。


C卓 昇竜の如く。今日1日の勢いで言えば小坂さんの右に出るものはいないだろう。牌が呼応するようにアガリを導いていた。この準決も然りだが事態は急変する。海底で3件テンパイを制した五凌さんがこの勢いをそのまま奪い独走。すかさず対応力の高い竹内さんと越川さんが追撃するが力強く逃げる五凌さんを捉えることができず勝負は決した。


D卓 麻雀が教えてくれたもの。アドバンテージ者の平井さんが序盤から他家を大きく突き放す。そしてここに追随するのが岩上さん。近づいては離されを繰り返し局面はオーラスへ。千葉さん河野さんともに役満でも届かない場面なのだが、それでもこの局面を楽しんでいるかのようにひたすら牌を絞り続ける。トップ目(平井さん)に鳴かせることもなく、親(岩上さん)に鳴かせることもなく...結果は岩上さんがツモあがり平井さんを捲るのだが、その影にはこの2人の麻雀に対する真摯な姿勢があったからなのかもしれない...。

Last stage(決勝戦)
前大会に続き、準決勝でアドバンテージ者が全て敗れるという波乱から決勝卓に勝ち上がったのは、鈴木勝さん山本秀さん五凌さん岩上さんの4名。ここでは山本秀さんと岩上さんが優勝経験者である。準決勝で敗れた多くの強者たちが見守るなか闘牌が始まる。東1局親の山本秀さんの6000オールが決まる。一見簡単そうなハネ満だが場況を加味したすばらしいアガリであった。その後も攻め続け南入したときには5万点オーバーとなっていた。南入直後はすぐに岩上さんがアガる。このアガリも場況を捉えた絶妙なハネ満であった。これに放銃した五凌さんが残り1万点を割り、事態は風雲急を告げる。南2局親岩上さん。親満一発で逆転という点棒状況から「ロン」の発声。3900。放銃者は山本秀さんだった。差は益々縮まったがその後は山本秀さんが小さいながらもアガリを拾いオーラスへ。山本秀52200岩上43400その差8800である。ここまで全く手が入らず沈黙していた鈴木勝さんだったがこのオーラスまで黙っているわけにはいかない。流局テンパイで1本場を付けると次局テンパイ即リーチ。これが一発ツモとなり、三つ巴の様相となった。オーラス2本場岩上さんがついに動く。南ポン発ポン...数巡後...「ツモ」!!!「1000・2000」私は一瞬?となったがそう、2本場があったのである。この大舞台でも一瞬にしてこの計算が出来るのはさすがの一言。よく見ればアタリ牌を見逃しているではないか!その胆力と判断力には脱帽である。

   第21回Jボーイカップ優勝 岩上 貴是さん おめでとうございます!!!

 

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第20回Jボーイカップ2016夏 決勝戦観戦記

2016/09/05

Jボーイカップ2016夏決勝.jpg1st stage(1、2回戦)
蒼く高い空に入道雲が混じる9月4日、28名の雀士たちが集結し、今年の夏の最後を飾るJボーイカップ2016夏決勝戦が行われた。
1、2回戦の合計得点の上位16名が勝ち上がる準決勝戦システム。さらに上位4名が+5000点のアドバンテージを獲得できる。

準決勝へ堂々の1位通過は初出場の斉藤さん。持ち前の攻撃力を生かし終始攻め切った。2位につけた内山さんも初出場ながら攻撃力の高い雀士。3位にはユニークなキャラクターで人気の鴨岡さん、4位に街中店歴代王者の中ノ神さんと続き、ここまでの4名が準決勝でアドバンテージを獲得する。

そして注目すべきは1回戦でトビラスながらも2回戦で7万点オーバーを叩き出した平井さんだろう。
明暗を分けたボーダーラインは621。6万点を目指し3900のアガリによってそれを達成した岩渕さんだったが惜しくも次点となった。

2nd stage(準決勝戦)
準決勝の卓組は2回戦までの順位の廻り順によって決定する。各卓にひとりだけ+5000点のアドバンテージを持ったプレイヤーがいる。
トップのみが勝ち残りという厳しい条件のなか緊張の準決勝戦がはじまる。


A卓 王者の風格。1、2回戦を戦う前大会チャンピオンの高林さんからそんなムードが漂う。しかし、この準決勝では沈黙。斉藤さんと千葉さんが果敢に攻めるもその合間を縫うようにアガリ切る内村さんが展開を捉える。オーラス斉藤さんvs内村さんという構図だったが、ここでも「卓上の技工師」のネームに相応しい麻雀で内村さんがアガリを拾い自身初となる決勝卓への1番乗りを決めた。


B卓 忍耐の価値。東場から連続放銃により竹内さんが大きく後退。内山さんvs鈴木勝さんの図に袴田さんが値千金の跳満ツモにより三つ巴の闘いとなる。普段から耐えるべきを耐え、攻めるべきを攻める袴田さんのペースかと思われたオーラス、力強い「ツモ」の声と共に牌を置いたのは鈴木勝さん。逆転での勝利に満面の笑みを浮かべていたのだが、本当に苦しく忍耐の麻雀をしていたのはこの人だったのかもしれない...。


C卓 焦りの代償。序盤から積極的に攻める重光さんが徐々に加点し他の3人を突き放す。余裕があると踏んだのか南3局の親聴牌を崩し、局面はオーラスへ。最後の親は2回戦で脅威の連荘を見せた平井さんなのだが...。鴨岡さん跳満ツモ、白井さん跳満直撃という条件であったが、白井さんが、これを満たす聴牌を入れる。倍満ツモが条件に満たないため当然のダマテン。...が、こういう時にツモってしまうのが麻雀である。渋々フリテンリーチとするが無念の流局。その後も親の平井さんの連荘は続き4本場にて重光さんがアガリこの勝負に決着をつけた。


D卓 反撃の狼煙。「最速最強」を掲げ、序盤から猛攻を続ける鈴木崇さん。そしてこれに捕まったのが名倉さん。気が付けば点数表示は1桁に...フリー対局であればそのまま終わっていただろうが、トップしか意味を持たない準決勝において名倉さんをトバすのは1人しかいない。樽井さん、中ノ神さん共に苦しい戦いを強いられる。そして名倉さんの点棒は3万点台まで復活し、さらに逆転の大三元の聴牌が入る。その瞬間待ちの白はまだ山にあった...、が流局で決着し鈴木崇さんが2度目の決勝卓に座ることとなった。

Last stage(決勝戦)

準決勝4卓アドバンテージ者が全て敗れ、決勝卓に座ったのは内村さん鈴木勝さん重光さん鈴木崇さんの4名。うち2人は初決勝卓となる。
そして、運命は早い段階で動き出す。東2局内村さんの仕掛けに鈴木崇さんが猛追をかける。このリーチに裏ドラが乗り24000!半荘1回戦で24000は致命的だ。次の東3局では鈴木勝さんのリーチに重光さんが放銃となり12000は15000。この後は場が重くなり流局が続くのだが、これは点棒のない2人の影響だろうと私は推測する。フリー対局ならば飛んで次行こう!なのだが、この1回しかない決勝戦を大事に大事に打っているのだと思う。たくさんのギャラリーに見守られ、勝者にだけスポットが当たるこの麻雀というゲームは、この大事に打っている人間によって支えられているのだと...。そして局面は南場へと移るのだが、ここからは鈴木崇さんの圧倒的な強さが爆発する。終わってみれば8万点オーバーの完全優勝だ。素晴らしい。さて、今回も当店スタッフの井上が準決勝終了後に感極まっていた。いつもながらだが麻雀に対する熱量には感服する。この麻雀熱は皆様にもきっと伝染しているはず...
    

第20回Jボーイカップ優勝 鈴木 崇弘さん おめでとうございます!!!

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